「ネコババのいる町で」

186.jpg瀧澤美恵子の「ネコババのいる町で」を読みました。「ダイヤモンドダスト」同様、読んだことない作家だなぁと一緒に購入。共に芥川賞受賞作ですが、共に期待が大きすぎたな・・という読後感でした。実の母に捨てられたショックで失語症になり、祖母の家で暮らす恵利子。ネコババは隣に住む野良猫の面倒を見ているおばさん。こういう子供と年の離れた大人との交流ものって好きなんですが、恵利子とよく接するのはネコババよりネコババに雇われている野良猫の世話係のネコバンだし、名古屋に住む実の父に一人で会いに行くエピソードが最も印象に残る。このタイトルはちょっと違うかな・・と感じたのでした。ふと思ったのは、少女とおばあさんの関係ってのは、少年とおじいさんと比べて描くのが難しいのかもということ。例えば梨木香歩の「西の魔女が死んだ」も湯本香樹実の「夏の庭」を読んだ後だったから、世間で言われるほどの名作とはモモ母には思えなかったんですよね。おばあさんと少年だけど、井上靖の「しろばんば」もすごく好き。「ネコババのいる町で」は寧ろ大森新地の待合のあった風景が書き留められてることが面白いと思ったのでした。
二作目の「神の落とし子」と三作目の「リリスの長い髪」は妻に選んだ女性に翻弄された男の物語。女性の心に潜む奔放な性、女性=忍従というパターンが排除された点に新しさがあると解説には書かれていたけど、これまた谷崎潤一郎の「痴人の愛」のナオミの鮮烈さに比べると中途半端で、特に二作目は男の愚鈍さの方が際立っていて、読んだ後で逆に「夏の庭」と「痴人の愛」の面白さを再認識してしまったのでした。
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