「手紙」

0220.jpg東野圭吾の「手紙」を読みました。文庫本には山田孝之や沢尻エリカの写真入りの映画の帯がついていました。弟の大学入学金を得る為に強盗殺人を犯した兄。兄の剛志から弟の直貴に獄中から届く手紙。直喜がバンド活動を本格化させようとしたり、恋愛や就職など誰もが当たり前にしていることをしようとする度に「強盗殺人犯の弟」という運命が立ちはだかり、果ては娘まで不当な扱いを受けてしまう。順調に行くかと思うとヒール役が出て来て未来を潰すパターンの繰り返しや、直喜がなんだかすごい音楽の才能を持ってるという設定など、作りすぎな所も結構あるんですが、力のある人の作品だけに読みごたえがありました。
ただ、裏表紙に「犯罪加害者家族を真正面から描き、感動を呼んだ」と書かれてるのにちょっと違和感。確かにラストはドラマチックですが、モモ母は感動というより寧ろ現実を再認識して考えさせられました。もし親しい友人が直喜の立場になったら出来る限りサポートしたいと思うけど、初めて会った人が直喜の様な境遇だったら、どう接して良いかわからなくてきっと作品に出てくる人の様によそよそしくなったり、遠ざけようとすると思う。勤め先で販売から倉庫担当に異動させる、その理由を社長は「会社にとって重要なのは、その人物の人間性ではなく社会性だ」と言う説明に妙に納得。「殺人犯の弟のいる店で買いたくない」と客が思うリスクは、そりゃ排除したいでしょう。作品で重要な意味を持つジョンレノンの「イマジン」って好きな曲だけど、やっぱりイマジンでしかない現実。イマジンの様な世界をと呼びかけてるはずのオノ・ヨーコが差別をしていた、それもおそらく無意識にと言うエピソードを紹介した巻末の解説が印象的でした。
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No title

こんばんは。

自分も「手紙」読みましたよ。

差別について、つい考えてしまう作品ですよね。
身内の犯罪によって世間から犯罪者の身内というレッテルを貼られる事の重さを痛感させられました。

神崎和幸様

コメントありがとうございます。
犯罪事件が連日報道されますが、その数だけ被害者と共に加害者家族が生まれているということですよね。
また読み返してみたくなる作品でした。
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