「初恋温泉」

587.png春に大量の文庫本を送って下さった元テレビディレクターOさんが、「みをつくし料理帖」の続きを送るまでのつなぎにと数冊の本を送ってくださいました。その中からまず読んだのは、吉田修一の「初恋温泉」。実際の温泉地を舞台にしたオムニバス形式の短編集です。
上質な時代小説「凶刃」を読んだ直後だったので、最初の表題作はなんか現代人の薄っぺらさが際立ってあまり好きになれなかったんですが、続く青荷温泉を舞台にした「白雪温泉」は自ら脇役キャラを自認する主人公カップルが前作以上に軽いんだけど、しっとりしたラストが印象的で、一番好きな作品でした。不倫カップルを描いた「ためらいの湯」の舞台は京都の旅館「畑中」。漸く予約の取れたホテルに一人で来ることになった夫を描いた「風来温泉」は那須の「二期倶楽部」。器が立派なだけに、宿泊者たちのシチュエーションの不安定さが、読む者を落ち着かなくさせます。そして最後は高校生活カップルが親に内緒で黒川温泉「南城苑」に来ちゃった「初恋温泉」。健二は「この先、真希以外の女と、温泉に来ることなど想像も出来ない、この気持ちがいつかなくなるなんて、いくら考えても想像できなかった」けれど、やがては先の章に描かれた大人達の様な状況が待っていたりするワケですよね。それでも初々しいカップルで締めくくられているのは、ハッピーエンド。そういえば温泉なんて随分行ってないなと、読みながら気づいたモモ母でした。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

モモ&こむぎ母

Author:モモ&こむぎ母
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR