「パレード」

664.jpg吉田修一の「パレード」を読みました。小説家というのは色んな手法を試してみたいもんなんだなと読みながら思っていました。登場人物は都内の2LDKに同居する20代の男女4人と新入りの男娼サトル。5章構成で、第1章が大学3年の良介、第2章が人気俳優と熱愛中の琴美といった具合に5人の一人称で各章が語られていきます。最初に良介が語る同居人の印象と本人が自ら語る人物像が随分違う。本当はこんな風に思っていたのか、こんな奴だったのか・・と。確かに他人に見せるのは自分のほんの一部だし、都会に生きる人たちはそんなに他人に深入りしない。この前に読んだ「神去なあなあ日常」の濃密な世界とは、面白いくらい対照的です。
作品は「つくづく不思議な光景だと思う」で始まります。何が不思議かって、部屋から見下ろす甲州街道に一日何千台という車が通るにもかかわらず、一台として事故を起こさないことを地方出身の良介は不思議に思うワケです。適度な距離感を保ちつつ、表面的にはそこそこ仲良くやっていくから、溢れる人がそれぞれの闇を内包しながら暮らす街・東京はうまく流れていく。物語は最終章で急展開し、その終わり方が更に不気味な作品でした。「神去なあなあ日常」と「パレード」を続けて読んで、適度に都会で適度に田舎な京都で暮らしつつ、刺激的な東京と自然豊かな田舎を時折訪れるのが、自分には性に合ってるわ・・と思ったモモ母でした。
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