「三人姉妹」

714.jpg3月1日まで渋谷Bunkamuraシアターコクーンで上演されている「三人姉妹」を観ました。ケラの演出でチェーホフがエンタメになるのかと思ったら、すごい正統派。モスクワに戻るという叶わぬ夢だけを心の支えに田舎で単調な毎日を送る余貴美子、宮沢りえ、蒼井優の三姉妹。堤真一演じるヴェルシーニンがモスクワから赴任し、人間関係が複雑になって風穴が開くかと思いきや、結局は三姉妹の変わらぬ暮らしだけが残る。登場人物達が突然キレる場面が繰り返され、誰もが変わらぬ現実と変えられない自分に苛立ちと諦めを抱いている。それでも「生きていきましょう」と、生きる意味が来ることを信じて耐えるラストをパンフレットで解説の沼野恭子は「渇望から喪失を経て祈りへ」と書いていたけれど、「祈りへ」とは思えず、悲壮感だけが残って陰鬱になりました。モスクワに戻ったら・・・と夢見つつ、状況を変えられない、変える努力をしない登場人物たちはどこか現代の日本人にも通じ、それゆえのやるせなさの様にも思えます。
役者陣はやっぱりりえちゃんが素晴らしい。実は初めて宮沢りえの舞台を観た「人形の家」の前に京都文化芸術会館でごまのはえ演出の「三人姉妹」を観たんですが、その時出ていた女優陣とりえちゃんの違いは台詞を言ってない時の振る舞い。りえちゃんは一挙手一投足が見事だったんですが、今回、その思いを尚一層強くしました。その姿は常にマーシャそのもの。終演後、パンフを読むと「自分が台詞を言ってない時でも、ちゃんと気持ちが埋まり続ける。ほかの役者さんが台詞を言ってると導かれる様に自分の場所が見えてくることも多くて」と言っている。それがチェーホフの力なのかも知れませんが、いや、宮沢りえの力でもあるでしょ、と思うのでした。あ、この作品を観たのは堤真一ファンだからですが、兵隊さんのお人形みたいな衣装で登場した時は苦笑してしまいました。
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