「初めて人を殺す」

828.jpg井上俊夫の「初めて人を殺す」を読みました。刺激的なタイトルですが、兵隊に取られた詩人の井上さんが中国で体験したことや戦後抱き続けてきた思い等を綴ったもの。数年前にモモ母が担当する番組に出ていただいたことがあり、再び話が伺いたいけれど既に亡くなられた為、著書を再読したのでした。
軍隊に入って間もない最下等の兵士は「初年兵」と呼ばれ、教育係の古参兵にこき使われ、私的制裁を加えられる日々。夜中に突然訓練の命令があると飛び起きて身支度して整列、一番最後の者は殴られる・・・。新たな兵士が送られ、後輩が出来ると漸く制裁から解放される。と、今度は彼らが新入りに制裁を加える側になる。殴られてばかりの初年兵は、一斉検問と称して集落の民家に乱入した際に中国人達が慌てふためくのを見て憂さ晴らし。反抗する中国人がいると、蹴り上げる、「こんな行為をしても、ちっとも悪いことをしているという気がしなかった」と温厚な語り口が印象的だった井上さんは書いています。古参兵には略奪、強姦を繰り返した人もいたと言います。夜中に非常呼集があって慌てて大木の近くに集まると一人の中国人が縛り付けられていて、一人ずつ順に剣で突く様に命じられる。井上さんは、戦後出かけた戦友会で元上司から、連隊本部では作戦の都度捕まえてきた捕虜や密偵を取り調べ、収容したが、建物が狭くて収容しきれなくなると、各中隊に「配給」して処分させていたとの証言を聞き出すことに成功します。「しかも見習士官には斬首訓練、兵士には刺殺訓練として有効適切に殺していた、我々皇軍には国際条約もへちまもあるかいな」と元少尉は高笑いしたと書かれています。日本はまた同じ様なことを繰り返すだろうと井上さん。戦後の平和には悪いところもあるけれど、「悪い平和」でも「悪い戦争」より絶対に良い、この国が平和だったおかげで私達は今日まで生きてこられたと書いています。今こそ、多くの方に読んで欲しい一冊です。
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