「舟を編む」

1-30.jpg元テレビディレクターOさんがまた文庫本を数冊送って下さいました。その中にいつか読みたいと思っていた三浦しをんの「舟を編む」も。新しい辞書「大渡海」の完成に向けた編集者達の長い長い旅。タイトルは言葉という大海原を渡る舟である辞書を編集することを意味していたんですね。この小説が本屋大賞に選ばれたのが、すごくよくわかります。友人達にもモモ母とは比べ物にならないくらい読書量の多い活字中毒がいますが、本好きにとっては堪らない世界だろうと思います。モモ母も学生時代には神保町の書店街に行くのが好きだったし、情報誌の編集をしたこともあるし、家には英文学者だった父の辞書が山ほどあるしで、身近な世界。父が改訂版が出る度に同じ辞書を何度も買っていた理由が、よく分かりました。辞書というのは1冊出すのに人生を費やす様な根気と情熱がいるんですね。「神去なあなあ日常」同様のお仕事小説だけど、動的な神去に対してこちらは静かなのに、読む者を退屈させない迫力があるのは、さすが三浦しをん。
編集者の馬締が「料理人」を辞書で引くと「料理ヲ業トスル者」と書かれ、「業」に職業以上の「やむにやまれる何か」を感じる場面が印象的です。その仕事をするよう運命づけられ、料理をせずにはいられない衝動に駆られてしまうことを「業」と説明した辞書編纂者も、料理の修業を続ける恋人も「業」に突き動かされていると感じる馬締。勿論彼自身もその一人。その道で何かを成す人って、営業に異動した西岡の様にどんな仕事もこなせるうつぶしの効く人間よりも、馬締みたいに不器用で、ほかの仕事は苦手なタイプが多い。その仕事だからこそ実力を発揮する。そこに「業」を感じます。でも、色んな仕事をこなせる西岡タイプも、やがてはその人に合った仕事に落ち着いていくもんだなと、友人知人達を見ていて思う。無数の人達の情熱と努力で、この世は出来ているんですよね。
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