「パパのデモクラシー」

1-135.jpg京都労演の例会で5~8日に京都府立文化芸術会館で上演された東京ヴォードヴィルショーの「パパのデモクラシー」を観ました。敗戦直後のとある神社。元特高警察官の居候がいるだけでも食べるのに困っているのに、かつて国防婦人会のメンバーで戦後は民主主義活動家に転身した緑川が住まいを失った7人を更に預かってくれと言いに来る。新たな居候の中には東宝映画のスタッフもいて、やたら権利を主張する。長男はシベリア抑留中。嫁のふゆは次第に助監督に感化され、ストライキを始める始末。そこへ養子の千代太郎が復員。先日の学習会での話によると、作者の永井愛さんに「あなたはどの役を演るつもり?」と聞かれて、神主役をするつもりだとB作さんが言うと、「あなたは千代太郎を演りなさい。あなたが千代太郎を演るなら上演を許可します」と言われたとのこと。千代太郎は松竹新喜劇で藤山寛美が演った様な愚直で純粋な役。偽のおまわりさんと親しくなり、初めて友達が出来たと思ったのに、おまわりさんはいなくなり、「野心を持った為に不幸になったであります」と言う千代太郎に、嫁のふゆは「それでも野心を持ち続けなさい」と言って、家を出る。
価値観の激変で庶民は権利意識だけが強くなったりして、何か違う・・・と言う方向に。緑川の台詞に「民主主義は軍国主義より手強いものですわ。放っておけばすぐ消えてしまいますもの。一人一人がたゆまぬ心で育てねばなりませんのね」と言うのがありましたが、この台詞や芝居全体から受ける印象が二兎社が95年に初演した時と今では、かなり違うのではないかと思います。初演時はもっと距離を置いて観られたんじゃないでしょうか。喜劇的なシーンは勿論今も面白かったけど、未だ民主主義を使いこなせない現実を思うと、とても笑えない。寧ろ恐ろしいと思うのです。安保法制が可決した2015年の冬には緑川の台詞が虚しく聞こえました。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

モモ&こむぎ母

Author:モモ&こむぎ母
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR