「木暮荘物語」

1-189.jpg三浦しをんの「木暮荘物語」を読みました。木暮荘は小田急線世田谷代田駅から徒歩5分のぼろアパート。それだけでモモ母には魅力的です。大学時代、主に利用したのは井の頭線と小田急線が交差する下北沢だけど、父が借りていたマンションは世田谷代田が最寄駅。各停しか停まらない小さな駅で、改札は新しくなったけど、ホームは今も小津の映画に出てきそうな独特の雰囲気があります。
三浦しをんが描くキャラはちょっとヘンな人が多い。「舟を編む」の馬締さんと似た印象の瀬戸並木は突然外国に行って3年も連絡しなかった癖に、新しい彼氏が出来た繭の部屋に平気で戻って来るし、大家の木暮じいちゃんは死ぬ前にもう一度セックスするのが悲願だし、サラリーマンの神崎は隣の部屋の穴から1階をのぞき見するし、女子大生の光子はのぞかれてると知りながら複数の男を部屋に招くし・・・。優しかった祖母の記憶につながる黒飴が好きな光子に、神崎が穴から黒飴を落みとす場面がありました。かなりヘンな行為なんだけど、何故か好き。そうそう、モモ母のお祖母ちゃんちにも那智黒とか犬の形のブラスチック容器に入った栄太郎の飴があったっけ。確かに誰だって普通じゃない一面がある訳ですが、吉田修一が「パレード」で描いた千歳烏山のマンションに住む男女に潜む闇と違って、この作品に描かれるのは不器用だけど誠実に日々を重ねていく人達。終章で数ヶ月ぶりに木暮荘を訪れた瀬戸は、懐かしさを感じる自分に「過去になったんだ」と思う。あの頃の自分とはもう違うから、人は懐かしさを感じるんですね。世田谷代田が懐かしい、懐かしいって、そういうことなんだなと改めて思うのでした。
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