「エンプティスター」

1-404.jpg大崎善生の「エンプティスター」を読みました。西荻窪在住、雑誌編集者、北海道出身、熱帯魚と大崎作品に繰り返されるキーワードが今回も・・と思っていたら、飼い犬がチワワのクーとモモって名前まで一緒なの?? それもそのはず、代表作「パイロットフィッシュ」、「アジアンタムブルー」に続く三部作の完結編でした。
吉祥寺の東急百貨店、傘の自由化なども相変わらず登場します。「パイロットフィッシュ」に登場するナベさんは「由希子と結婚しろ、そして犬みたいにたくさん子供を産め」と山崎に言った翌日、初めての海外旅行でニューヨークへ行き、帰りの大韓航空機が撃墜されて帰らぬ人に。その娘と思われる風俗嬢の可奈を救う為に韓国に渡るのが本作。陳腐な設定や繊細すぎる山崎にイラっとすることもあるし、終盤はハードボイルド小説みたいな展開でビックリもするけど、それでもやっぱり、この大崎作品が愛おしくて好き。その理由が改めてわかりました。止まらない時間と変わっていく人と人との関係性。後戻り出来ない時間を生きるという根源的な孤独に幼い頃から敏感だった自分と同じ思いを美しい言葉で表現してくれる作家が、大崎善生なのでした。キース・ジャレットの「リトゥーリア」やポリスの「エブリブレスユーテイク」などの曲を入れ込んでるのもモモ母世代には切なさが募るし、東の空が明るくなりつつある頃の描写は、夜更かしして空が白む頃に下北沢のマンションの3階から見た新宿の高層ビル群を思い出させて胸キュンになりました。夜でもない朝でもない不思議な時間に広がる東京の空には、独特の透明感がありました。ご都合主義的な出来栄えにガッカリすることも多かった近年の大崎作品だけど、このシリーズは間違いなく読み返すと思う。年を取ってから読んだら、きっと切なくて泣いてしまうだろうな・・・。
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